中国出張者必見!中国の食事習慣、マナーなどなど…【食事事情編】

中国出張の際に気になるお食事事情です。
私は主に蘇州と広州エリアメインで出張していましたので、そのあたりの食べ物、食事のマナー、宴会事情をまとめていきます。
エリアによって食べ物やマナーも違うようなので、あくまで参考程度に(^^

目次

中国現地の食事全体の流れ

会食の席がどのような流れで進んでいくのかを、ざっくり説明します。

ローカルの定食屋さん、屋台、ファーストフードはもっと簡易に済ませますが、大きいテーブルで大人数で食事をするような場合はこの流れになります。

食器を洗う

テーブルには、この様に予め食器のセットが置かれていることが多いです。
食器セットはそのまま置かれていることもありますが、食器セットがビニールでシュリンクされていることもあります(おそらく衛生面からこの仕様なのでは?)
ビニールでシュリンクされている場合は、バリっと破って開封します。
私はいつもお箸でバリ!っと刺してやってしまいます。
さて、着席するとお店のスタッフが熱いお茶(もしくは、お湯)の入ったポットを持ってきますので、食器セットをこの様にして、上からお茶を注いで食器セットを洗います。
コップ→茶碗→レンゲとお箸を入れてクルクル濯ぐ感じです。
テーブルにフィンガーボウルっぽい器が用意されていますので、濯いだお茶はそこに捨てます。
さて、準備は完了。
ちなみに、私はこの工程が儀式っぽくて好きです(笑)

食器の洗い方

まずはお茶から

まずはお茶。
お酒よりも食事よりも、「まずはお茶」のケースが多いです。
ちなみに、「お酒を飲むからお茶はいらない」と断ってはいけません。
宴会ではこのお茶が「命綱」です!…詳細は後ほど。

食事スタート

基本的には大皿料理が多いです。
ど~んと盛られた料理が次々と運ばれてきます。
料理が揃いだしたら、日本と同じく乾杯の音頭で食事がスタートすることもありますし、お酒を飲まない飲茶や昼食であれば、ホストの合図でゲストがお箸をつけると食事スタートになります。
「ゲストから箸をつける文化」なので、お客様として招かれている場合は、遠慮なく自分からスタートしましょう。でないと、ホストが困ってしまいます!

大皿の食事風景

食事の流れですが、少しかしこまったレストランであれば「前菜→スープ→肉・魚料理や野菜の炒め物→デザート」のような順で提供されますが、殆どの場合はテーブルに一気に提供されること多いです。
ざ~っと並んだ料理の中で好きなものを取って食べてOKです。

最後はデザート(フルーツ??)

食事が終わりに近づくとデザートが運ばれてきます。
大概フルーツです、そしてスイカ率がかなりの高確率!
尚、中国ではプチトマトも果物枠なので、デザートにプチトマトが登場するケースもあります。
ちなみに、日本の中華料理でデザートとなっている、ゴマ団子や桃饅頭は飲茶の中の1品なのでデザートの甘味として登場するのは見たことがありません。

以上が、ざっとした食事の流れです。
中国の方達は「食事はみんなで楽しむもの」として、1日の中でも食事の時間をとても大切に考えています。
あまり堅苦しく考えずに、一緒に楽しんで食事をしましょう!

中国現地の食事のマナー&習慣

会食でのマナーや習慣をまとめました。

私が現地で知った範囲内になりますので、実際のマナーやエリアによっては少し乖離があるかもしれませんが、参考として記載します!

食べられないものは事前にハッキリ伝える!

注文はホストが行なうのが一般的ですが、日本同じく「おもてなし文化」なので、ゲストは「何が食べたい??」と聞かれ、ゲストの好みのものを中心に注文が組み立てられることが多いです。
変に遠慮することはせず、好きなメニューを伝えましょう。
現地のローカルレストランでメニューが全く分からない時は、「私はトマトが好きです」と好きな食材を伝えたり、「このエリアの名物料理やお勧めを食べたいです」の様な感じで伝えると、ホストが注文しやすいです。
また、逆に食べられないものがあれば、これも遠慮なく事前にしっかり伝えましょう。
中国ではお箸を付けなかったり、食が進んでいないと
「食事のチョイスが悪かったかな?」
「満足していない?美味しくない??」
とホストが気にしてしまう文化です。
ですので、苦手なものは予め伝えてしまうのがベストです!
ちなみに、私はど~~~しても、ヤギ肉が苦手で食べられないので「ごめんなさい、ヤギ料理だけは食べられないんです」と伝えています。
それから、辛い食べ物が苦手な場合も事前に伝えましょう!!
エリアによっては「殆どのメニューが唐辛子入り」という場合もありますので要注意です。
個人的な経験では四川料理より湖南料理が激辛率が高いです…ご注意!

食事の誘いはできるだけ受ける

中国では「皆で食事をする」ことを本当に大切にしています。
長期出張となると連日の会食や中華料理に飽きてしまい、ついつい「今日の夕食は、ひとりでコンビニ飯でいいや…」という気分になりますが、ここで食事の誘いを断ってしまうと、相手に
「何か不満がある?ミスがあったかな?」
「おもてなしが足りない?嫌われている?」
と不安にさせたり、誤解させてしまうことになります。
食事のお誘いは、できる限り受けるようにしましょう。

とはいえ、本当に断りたい日もあると思いますので、そのような時は、具体的に食事に行けない理由を伝えると相手も安心してくれます。
重い夕食を避けたい時は
「食べ過ぎて胃腸が疲れているから夕食はお茶とお粥が良いです」
「夕食はカフェで軽く済ませませんか?」
食事を断りたい時は
「ごめんなさい、今夜は急な仕事が入ってホテルで処理しなければならないです」
「少し体調が悪いので、ホテルで休みたいです」
のような感じで伝えればOKです。
食事を断った場合は、日を改めて食事に誘う旨伝えましょう。

ちなみに、私は「軽いメニューのお気に入りの店」を決めていて、胃腸が疲れている日は、そのお店を夕食に提案するようにしています。
もしくは、ひとりで過ごしたい時は
「マジで急ぎの仕事があるから、夕食はごめん!その代わりスタバのテイクアウトに付き合って欲しい」
という感じで対応しています(^^

食事は残すのがマナー??

「中華料理は食べきらないのがマナー」と良く言われますが、実際のところどうかというと…
ほぼ、間違いなく食べきれないような量が出てくるので必然的に残ります!
毎回、食べきることができないので、このマナーが本当なのかどうか体感したことはないです(笑)

ただ、中国の食事における、おもてなし文化は本当に「ゲストをお腹いっぱいにさせる」という意味で、基本的には人数に対して1.2~1.5倍くらいの量を注文するので、やはり食べ切ってしまうと「足りない」と捉えられると思います。
どんどん料理も運ばれてくるし、お皿にもどんどん盛られるので、お腹が満足してきたら素直に

「お腹いっぱい(吃飽了 ツーパオラ)!」

を伝えましょう。

それで、ホストも安心しますし、こちらも食べ過ぎ防止になります。
尚、最近の中国では「食べ残しはもったいない」というエコ意識が浸透してきているので、食事の残りは持ち帰ることが多いです。

意外と知らない!「お茶のお礼」マナー

中国ではお茶を注いでもらった時にする「お礼の動作」があります。
手指叩卓示禮(シャオチー クゥオ ツゥー シー リー)といって、清時代の乾隆帝の時代に遡るマナー(というか習慣?)です。
食事の相席者、訪問先のホスト、飲食店の店員さんなど、コップにお茶を注いでもらった際に、中指と人差し指でテーブルを3回「トントントン」と軽く叩きます
この動作は、相手に対して頭を下げることを意味しているようで「お茶を注いでくれてありがとう」の意思を伝えることができます。
さりげなく、軽い動作で「トントントン」でOK。これで、相手にも気持ちが伝わりますので、お茶を注いでもらったら、是非これを実践してくださいね!

お茶のお礼動作

お酒の飲み方マナーと習慣 「乾杯」するタイミング

お酒を伴う会食で気になるのが「お酒の飲み方マナー」です。
日本のお酒の飲み方と違う点で注意が必要なのは
ひとりでお酒を飲まない
という点です。
日本では、会食中は各自がそれぞれのペースでちびちび飲んで、たまに乾杯コールが入る、という飲み方ですが、中国でそれをやるとNGです!
中国では会食の席でお酒をひとりでちびちびやると
「食事の席がつまらない」
「食事が美味しくない」
と捉えられてしまうのです。
お酒は基本的に皆で楽しく飲むものとされています。
ですので、
お酒を口にする時は、毎回誰かを誘って乾杯
がルールです。
会食メンバーに「お疲れ様」「今日はありがとう」等と、声をかけて乾杯します。
乾杯以外の時は、お茶をちびちび飲んでください。
お茶が命綱です(-_-;
会食中は、乾杯が続きますので、声がかからない間は、アルコールではなくお茶を飲んでください。

尚、お酌に関しては日本と違い厳しいルールは無く、手酌でもOKです。
最初の1杯目は、目上の人やゲストにお酌をしますが、その後は基本的に各自が手酌をすることが多いです。

乾杯の3つの種類

中国では乾杯には、次の3種類があります。

●乾杯(干杯 ガンペイ)

その字の通り、コップのお酒を飲み干します。これを言ったら、必ず飲み干すルールです(笑)

●半杯(バンベイ)

こちらも、その字の通り。コップの半分を飲み干します。

●随意(スェイー)

日本語の「随意」と同じで、「適宜」の意味に近く「お気軽にどうぞ」的に使用される言葉です。

乾杯のシーンでは「コップの中のお酒を好きなだけ飲んで」という意味になりますので、飲み干さなくてもOK、一口飲むだけでもOKです。

この3つを使って、乾杯コミュケーションが行なわれます。
例えば、AさんがBさんに乾杯を誘う時
A:「Bさんお疲れ様!乾杯」
B:「Aさんお疲れ様!半杯…?」
A:「ダメダメ!乾杯だよ~」
B:「え~~…!乾杯!」
という感じです。

また、これとは別に

●テーブルコンコン ルール(Liuが勝手に命名してこう呼んでます)

があります。

これは、会食中に誰かがコップの底でテーブルを「コンコン」と叩いたら乾杯の合図となります。
「コンコン」の合図がきたら、皆でコップを手にして「乾杯!」です。

最後の1杯はラッキーアイテム

中国の飲食店では瓶に入ったお酒が出てきます。
日本のように、ジョッキやコップに注がれたお酒が出ることは稀で(日式の居酒屋で生ビールを飲む時くらいな気がします)、殆どが瓶で提供され、それをコップに注いで飲むスタイルです。
瓶に残った、最後の1杯分は「幸せが残っている」としてラッキーアイテムと考えられています。
ですので、その1杯分はゲストに注がれることがあります。
瓶で注いでいる時に「最後の1杯分どうぞ!」と言われることもありますので、その際は「謝謝!」といって頂きましょう。

お箸は直箸OK

大皿料理が殆どの中国ですが、とりわけ用のお端やサーバーが無ければ、直箸でOKです。
日本のように直箸を嫌うことはありません。
ただし、コロナ禍以前の話ですので、現在の状況は変わっているかもしれません!

骨や殻はお皿かテーブル(ガラ入れはありません!)

中国の料理では骨付き、姿のままの調理方法が多く、食べる際に骨や甲殻類の殻(いわゆるガラ)が沢山発生します。
ガラはテーブルにそのまま出すこともありますし(ちょっとびっくりですが、普通です!!)、もしくは、お皿に乗せます。
テーブルセッティングで、お皿の上にお椀が乗っていますが、このお皿は取り皿ではなくガラ入れに使用することが多いです。
食べ物→お椀
ガラ→お皿
です。

お皿の使い方 ガラ入れ!

食事の席での煙草は?

中国は日本と異なり、まだそこまで分煙、禁煙が根付いていません。
殆どの飲食店が煙草OKです。
会食中の煙草はコミュニケーションツールの一つのようで、仲良くなった証として、自分の煙草を人に勧める文化があります。
煙草の箱を向けられて「1本いかがですか?」のような感じで声をかけられます。
これに関しては、煙草を吸わない人は「煙草は吸いません、ありがとう」と言って断っても大丈夫です。

まとめ

以上が、中国のお食事事情になります。
何度も言ってしまいますが、基本的には中国では「食事を皆で楽しく過ごす」として大切な時間にしています。
家族、友人、ビジネスのどの場においても食事の時間はかなり重要です。
最低限のルールとマナーを守って、あまり遠慮をせず楽しく食事をしましょう。
中国でのビジネスシーンは、仕事の場ではなかなか仲良くなれない人も、食事を一緒にすることで距離を縮められることが多くあります。
食事の場を通して、ビジネス相手の人となりをチェックする感じもある気がしています。
私は、ただの「飲み会」と思わずに、仲良くなれるチャンスと思って、プライベートのことなど色々とコミュニケーションを取り、その後の仕事がスムーズになったこともあります。
「その人がどんな人なのか?」というのを分かってもらうためにも、食事の機会は有効的に使いたいですね!

ちなみに、私は訪問先の工場では、できるだけ工場のスタッフと一緒に工場内の食堂で昼食を取るようにしていました。現場スタッフと一気に仲良くなれる!お勧めの方法です!(その分、食事は写真の様な、THE現地食!です。。。。)

工場内の食堂での昼食!
工場内の食堂でのご飯!!
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