Liu式!商品コンセプトの作り方 通販で売れる商品を考える!

D2C通販に限らず、通販で販売する商品の大前提は

ユーザーは商品を実際に見ることなく、広告のみで購入を決める

ということです。
つまり、商品コンセプト=広告コンセプトになります。
ここでは、私が15年間通販の商品企画に携わり見つけた商品コンセプトの作り方を紹介します!

目次

オリジナル商品と仕入れ商品

通販商品を企画するにあたり、悩むのは「自社のオリジナル商品を作るか?もしくは仕入れ商品にするか?」という点だと思います。
もちろん、オリジナル商品を作ったほうが「他社で買えない!」というメリットがあるのですが、私の経験で言えば、良い広告が作れるのなら仕入れ商品でも十分勝負できます!
まずは、オリジナル商品と仕入れ商品のそれぞれのメリットとデメリットを挙げます。

オリジナル商品

●メリット

・他で購入することができないオンリー商品としての優位性がある
・考えた商品コンセプトに沿って、自社の思い通りの商品企画が可能
・自社で原価と売価のコントロールが可能
・利益率が高い

●デメリット

・一定数のロットが生産ロットが必要なため、在庫リスクが発生する
・品質、生産、在庫のコントロールを自社で行なう必要がある

仕入れ商品

●メリット

・在庫リスクが無いため、直ぐに取扱いができる
・品質、生産、在庫のコントロールをしなくても良い

●デメリット

・他社でも購入できるため価格競争に陥りやすい
・利益率が低い

見てお分かりだと思いますが、基本的には、それぞれが表裏の関係にありますね…。
私が仕入れ商品でスタートする場合がどんな時かというと、

  • オリジナル商品を作るコストが高い
  • 売れるかどうか?挑戦的なコンセプトで若干不安

という状況の時です。

オリジナル商品はある程度の初期投資が必要なため、まずはコンセプトに近い仕入れ商品でテストマーケティングも兼ねて販売を行い、「売れる!」と確信が持てたら、しっかりとコンセプトに沿った形でオリジナル商品を量産するという方法を取ることがあります。
この方法であれば、リスクを小さくスタートできます。

Liu式! シンプルコンセプト出し

商品のコンセプト立案に関しては、様々なマーケティングの本やセミナーが存在しています。実際に、私も色々と本を読んだり、勉強会に参加したりしましたが、どれも共通して感じているのは、

「コンセプト立てをするまでの工程が長すぎる!」

という点です。
3C分析、4P分析、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング…等々。
多種多様なたくさんのマーケティングの手法や、それにまつわるフォーマットがありますが、項目が多く細かい部分まで追及するものが多いように感じます。
マス市場で販売するものや、大手企業の商品企画はそれくらいの分析と推敲が必要だと思いますが、通販は基本は「ニッチ市場」です。(ニッチ商品は通販と相性抜群!)

私が通販業界に入った当時、先輩から

ユーザーは、商品が目に入った時「欲しいか?欲しくないか?」を3秒で決める

と教えられました。
逆に言えば「ユーザーは3秒しか商品のことを見ていない」ということです。

実際に、ユーザーを招いてのモニター会や勉強会でも、消費者は通販広告(カタログなど)をサーーーっと流し読みしながら、欲しいと思った商品のところでピタっと目を止めるのを確認してきました。

本当に3秒ほどなのです(-_-;)
ですので、私は通販商品のコンセプトは「3秒でわかるコンセプト」であることが重要と考えています。

Liu式! キーワードは3つだけ

「3秒でわかるコンセプト」に必要なのは、3つのキーワードだけです。

  • Wants(ウォンツ)=悩み
  • Answer(アンサー)=解決
  • What(ホワット)=手段

この3つです。
ユーザーが持っている「悩み」を「解決してあげる」「何か」がコンセプトとして明確になっていることが重要です。
例えば

●Wants(ウォンツ)=シミを
●Answer(アンサー)=消す
●What(ホワット)=ファンデーション

●Wants(ウォンツ)=セルライトを
●Answer(アンサー)=落とす
●What(ホワット)=ガードル

●Wants(ウォンツ)=ゲリラ豪雨
●Answer(アンサー)=1秒で開く
●What(ホワット)=折りたたみ傘

この様に、

ユーザーの「どんな悩みを解決する商品」であるかを「一言で言える」

ことが大切です。
そして、この明確なコンセプトを広告に落とし込んでいきます。
ここまで読んで「いやいや、そんな分かり切ったこと…既に使い古された話では!?」と感じる方もいらっしゃると思いますが、紙の通販広告やWEBのLPを見ると、このコンセプトが良く分からないものがたくさんあります。
作り手側の、あれも言いたい、これも言いたいがモリモリで入った、お腹いっぱい!な広告がなんと多いことか…。

実際に私が企画して作り、売れずに在庫の山となった商品の広告を見直してみると、やはり「何が言いたいの??」という状態になってしまっていることが多いです。
この3つのキーワードを、最初に目に入る絵(紙媒体なら広告、LPならトップページ)にしっかりと明確に描ける商品でなければ売れないのです。
通販向け商品は、市場分析や、ペルソナ分析等の細かいマーケティング手法の前に、この3つを明確に説明できる商品であるべきと考えています。

Liu式! 商品コンセプトの肉付け3つ

商品のコンセプトが決まったら、次は商品コンセプトの肉付けです。
具体的には

ユーザーがその商品のコンセプトを信じる3つの理由

を考えます。
最初の3秒でユーザーの心を掴んだ後、さらに購入を決めるサポートをする、「その商品が良いと思う背景」を作ります。
ここでも、必要なキーワードは3つです。

  • ストーリー
  • エビデンス 
  • コアキーワード

ストーリー

その商品を作るに至った動機や開発秘話、生産風景や商品の歴史等のそのコンセプトに深みを与える内容を考えます。
創業100年の老舗が作る、自分の病歴から商品を思いついた、この地域にしかない希少な〇〇から作られる等、その商品がどのような背景を持っているのかを深堀します。

エビデンス

その商品が「本物」であることを証明する根拠を考えます。
医師が考えた〇〇、特許構造の○〇、職人が作る〇〇等の、この商品にはコンセプトを裏付ける信じるに足る理由があるということを説明できるようにしなければいけません。
商品によっては、公的な試験機関や研究所などで効果測定をするとエビデンスとして強力です。

コアキーワード

その商品を代表するようなキーワードを考えます。
例えば、化粧品であれば主成分(山田養蜂所=ローヤルゼリーの様な)、マットレスであれば低反発等の機能性能です。
これは、既にあるキーワードであっても、自分で装飾して造語を作ることもできます。
例えば、ドクターシーラボは、ある商品の主成分であるコラーゲンのことを「金のコラーゲン」としてインパクトのあるキーワードに作り変えています。

以上の3点を肉付けすることで、商品コンセプトがぐっと深まり説得力のあるものになります。
コンセプトの3つのキーワードと、肉付けの3つのキーワードについて、例として市場の通販商品に当てはめて見ると次のようになります。

市場通販の商品コンセプト例

以上の様に、売れて商品はこの6つのキーワードにピタッとハマるコンセプトがあります。

この6つのキーワードを出した後、様々な情報や価格、商品詳細を決めていきましょう。

まとめ

売れる商品のコンセプトは、まず3つのコンセプトと、その後の3つの肉付けが大切です。
まずは、この6つのキーワードを立て商品コンセプトの軸を作り、そこから広告に落とし込むようにしましょう。
コンセプトの段階でブレが出ていると、広告もブレブレになってしまい「何が言いたいのか分からない」商品になってしまいます。
私は、「ユーザーに3秒で分かるコンセプト」は、シンプルで明快なコンセプトであることが重要だと考えています。
このコンセプト出しは、商品の軸を決める作業であると同時に、広告コンセプトを作る作業でもあるので、コンセプトを考えつつ、頭の中で広告もイメージしながら作業を進めていくと良い商品ができるでしょう!

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