生産の流れ
化粧品製造の申請許可が下りたらいよいよ生産に入ります。
生産に関しては基本的には化粧品OEMメーカーにお任せですので、発注書を出すところで凡その仕事は完了していますが、「生産の流れ」と「完成までのリードタイム」は把握しておいたほうが良いでしょう。
製品の生産工程
化粧品の生産は、基本的には次の工程で進んでいきます。
- 原料手配
- 原料秤量
- 原料調合・撹拌
- 中間検査
- 容器充填
- 包装仕上げ
- 最終検査
- 梱包
生産工程は、文章で理解するよりも実際に工場で工程を見る方が理解が早いです。
化粧品OEMメーカーに、依頼した製品の生産立ち合いを依頼して、実際の製造工程を見学して流れを確認しましょう。
リードタイム
化粧品の製造は、中身(バルク)の他に、容器、パッケージ等の副資材も必要となります。
そのため、中身だけではなく、これら副資材の生産に必要なリードタイムも把握しておく必要があります。
副資材含めて全て一括で化粧品OEMメーカーに依頼している場合でも、リードタイムは変わりませんので、知識として持っておくほうが良いでしょう。
ここでは、リードタイムの目安としてロット1,000~3,000程度の場合を例にして挙げます。
各パーツごとのリードタイム
中身(バルク)、容器、パッケージはそれぞれに必要なリードタイムが異なります。
中身(バルク)
一般的な原料を使用した、化粧水や乳液・美容液等であれば原料調達から製品完成まで1カ月~1か月半ほどです。
メイク系(口紅、マスカラ、アイシャドウ、ファンデーション等)になると、アイテムによっては2カ月ほど必要になる場合があります。
また、石鹸は特殊なジャンルになるので注意が必要です。石鹸(特に枠練り石鹸)は、生産の後に熟成工程と呼ばれる乾燥作業が入るため、長いもので3ヶ月~4カ月のリードタイムが必要になります。
容器
容器は樹脂製、ガラス製の一般的な形状の容器(ジャー、ボトル、チューブ)であれば2カ月前後が目安です。
パーツの多い容器(口紅容器、マスカラ容器など)や、ポンプ容器は3か月以上のリードタイムを見積もる必要があります。
また、海外製容器になると半年近くのリードタイムが必要になりますので注意が必要です。
各容器メーカーには、「汎用容器」や「プロパー容器」と呼ばれるような、在庫を多めにストックしている容器がありますので、リードタイム短縮を行いたい場合は、こうした容器を使用するのも方法です。
ただし、こうしたタイプの容器は、流用しやすいようにとてもシンプルなデザインになってしまっているので、商品デザインに拘りたい場合は不向きです。デザインを重視している場合は、容器リードタイムもしっかりと見積もって計画を立てましょう。
パッケージ
パッケージは紙製と樹脂製があります。
紙製は2~3週間が目安となりますが、樹脂製の場合は金型の手配が必要な場合もありますので、リードタイムを1カ月は見積もっておきましょう。
生産スケジュールに合わせたリードタイムの把握
化粧品の生産で一番リードタイムが長いものが容器になります。
容器やパッケージ等の副資材は、次の図のように、それぞれを中身(バルク)の生産スケジュールに合わせて調達する必要がありますので、その全体のリードタイムを把握しておくようにしましょう。
生産スケジュールは「容器待ち」の状態になってしまうことも多いので注意が必要です!