薬機法、景品表示法は基本的には法律に関わる問題なので、弁護士さんの管轄です。
ですが、実際には広告制作や商品企画、マーケティングの担当者にも必要な知識なのに、その知見に関わる資格が存在していませんでした。
一部、民間企業の資格はあるにはありますが…、有資格者としてのエビデンスとなるような国家資格的な公的資格は存在していないのが現実です。
そのような状況の中、2020年に設立された
一般社団法人 薬機法医療法規格協会
が、薬機法と景品表示法の認証資格の制度を立ち上げました。
認証資格は下記の2種類が用意されています。
どちらも、協会の用意した試験を受験して合格することで、マーク使用の認証を受けます。
広告を取り扱う担当者が、薬機法や景品表示法、特定商取引法にたいする知見を有していることを示す基準としての認定マークとのことです。
YMAA / KTAA 認証マーク2つを取得してみました!
一般社団法人とはいえ、民間資格的なものなので、当初は「取得するかどうか検討中~」と迷っておりましたが、このニュースを見て取得しようと思いました。
GMO NIKKO、薬機法・医療法・景表法・特商法を遵守した
広告取扱者の代理店向け認証マークを取得しアドベリフィケーションを強化
民間資格なのでどこまで付加価値があるかで悩んでいたのですが、あのGOMの関連企業が取得して「広告の法令順守としてのエビデンス」に活用するのであれば、徐々に知名度も上がるのではないかと感じ、早速受験してみたのです。
YMAA / KTAAの受験方法は?
どちらも、「一般社団法人 薬機法医療法規格協会」のホームページからオンライン受験が可能です。
申し込みを行なうと、60問のランダムな出題にたいして回答を行い、規程の正解率を上回ると試験合格となります。
オンラインで簡単に受験でき、その場で合否判定が出る点はとても便利でした。
また、60問の回答は1時間もあれば十分対応可能と思います。
YMAA / KTAA の受験費用は?
どちらの試験も、受験代は無料で、不合格となっても何回でも無料で再試験が可能です。
合格後に、認証マークの使用料金として6,600円(税込)が必要となります。
YMAA / KTAA の難易度、合格率は?
YMAAマークは、薬機法と医療法適法のそれぞれについての広告ルールに関する出題。
KTAAマークは、景品表示法と特定商取引法のそれぞれについての広告ルールに関する出題。
となっています。
「一般社団法人 薬機法医療法規格協会」のホームページによると、合格率はどちらの資格も30.7%とのことです(2021年11月末現在)。
さて、実際に私が受験してみての難易度に関する感想ですが…
●YMAAの試験感想
私は初回の試験は「不合格」でした。
薬機法の内容に関しては問題なく回答できたのですが、医療法広告は普段の業務で扱うことがなく知見が無いに等しい状態でしたので、この分野の回答が「ほぼカン!」だったので、当然、不合格です(笑)
不合格になっても直ぐに再トライできるのですが、試験後に勉強用の資料をもらえるので、そちらの資料をしっかり読んで、医療法広告の勉強をしてから、数日後に再トライし、2回目の試験で合格しました。
薬機法も医療法のどちらの試験内容も、
- 基本的な法令の理解
- 実際の違反事例から学んだNG表現の知識
が必要となる感じでした。
薬機法広告の世界に入ったばかりの初心者には、少し難しい内容かと思います。
実際の事例のケーススタディから違反の根拠を判断できるまでの知見が必要なので、ある程度は関連資料を読み込んで勉強する必要がありそう、というのが感想です。
●KTAAの試験感想
こちらも初回の試験は「不合格」でした。
景品表示法については、そこそこ学んで自信があったのですが、法令の内容を体系的にまとめていなかったので、出題の内容に関して「あれ?これってこうだっけ??」のようなことが多く、結果、不合格!
こちらも、試験後に勉強用の資料がもらえます。
しっかり復習してから、再トライして2回目の試験で合格しました。
試験内容としては、
- 法令の内容と罰則等のルールの知識
- 景品表示法が規制する内容についての詳細理解
が必要となる内容でした。
景品表示法は、不当表示や景品に関してなどのルール、罰則等が細かいので、その点を体系的にまとめて知識として持っていないと回答が厳しい内容だったと思います。
ケーススタディの知識というよりは、法令自体の内容をしっかり勉強していないと難しい試験だな、というのが感想です。
以上、いずれの試験も初心者ではなく、少なくとも1年程度は実務経験がある中級者向けの内容だったと感じます。
YMAA / KTAA の試験合格後は?
どちらの試験も、合格後に個人の認証番号が付与された「認証マーク」を購入することができます。
ホームページから、そのままネット決済でマークのデータを購入します。
PSDとPNGデータをダウンロードできますで、それを印刷用データとして使用可能です。
また、合格後に郵送で「一般社団法人 薬機法医療法規格協会」からの認定証が届きます。
昭和の人間なので、なんとなく、この紙の認定証のほうが有資格者感があると感じてしまいます(笑)
まとめ
以上が、私が受験して取得したYMAAマークとKTAAマークの概要です。
民間企業ではなく、一般社団法人の資格ではあるので、少しは取得価値のある資格ではないでしょうか。
また、これまで薬機法や景品表示法について勉強して知見があったとしても、それをクライアントなどに示す基準としてのエビデンス的なものが存在していなかったので、この認証マークはエビデンスとして活用できそうな予感もしています。
もっと、普及して知名度挙がってくれると良いのですが(^^
今回、試験のために勉強することで、復習や新たな知識の習得(医療法広告に関して!)になったので、その点では受験して良かったなと思います。